地点災害リスクの数値の読み方

2026年10月15日に土砂災害の区域区分の表示を訂正しました。詳しくは変更履歴をご覧ください。

国土DBは、住所を町字(大字・丁目相当)の代表地点まで解決し、その地点と周辺375m四方における地震・液状化・洪水・内水・津波・高潮・土砂災害のリスクを、数値と区分で返します。区分は土砂災害を除く6種に、スコアと全国順位は地震・液状化・洪水・津波・高潮・土砂の6種に返します(内水は洪水スコアに統合される入力で、独立のスコア・順位を持ちません)。このページでは、それぞれの数値が何を意味するか、どこから来ているか、何を意味しないかを説明します。本機能は町字代表点に対する地点粒度の提供です。自治体ページに出る自治体粒度のブロックとは、判定も配信可否も別に決まります(同じ災害種別が、自治体ページでは「未収録」でこちらでは値が出ることがあります)。

まずお読みください

数値と区分の意味

項目意味
statusその災害種別についての区分。in_area(区域内、または評価対象内)/ outside_area(想定区域の外。安全という意味ではありません)/ not_evaluated(当社が保有するデータでは評価できていない。調査が行われていないとは限りません)/ unavailable_due_to_license(利用条件の確認状況により提供不可)/ unavailable(供給データまたは配信処理が利用できず、当社が一時的に値を出せない。その地点が区域外であることや、災害のリスクが無いことを示すものではありません)のいずれか。土砂災害は区域の判定を返さず、null です。
score0〜100の指数。値が大きいほど、その災害種別による被害の起きやすさの推計が大きいことを示します。「安全」「危険」等の評価語には変換していません。地震・液状化・洪水・津波・高潮・土砂の6種にのみ返します(内水は独立の score と percentile を返しません)。
percentile同じ災害種別のデータの分布の中で、その値がどこに位置するかを示す順位(0〜100、大きいほど上位)。母集団は災害種別で異なります(後述)。地震・液状化は全国の125m区画、洪水・津波・高潮・土砂災害はその災害の想定区域内と判定された区画だけが母集団です。いずれも順位の計算に使う値がある区画が対象で、洪水は浸水深の値がない区画を除きます。洪水・津波・高潮の順位は、その地点が想定区域内(in_area)の場合にのみ算出・表示します(区域外で順位が出ないのは、障害でもライセンス上の理由でもありません)。液状化のみ、地盤の硬さの指標(AVS30)が低い=リスクが高いほど順位が高くなるよう逆順で計算しています。
nearby_max代表地点を含む3×3の9区画(一辺約375m)の最大値。代表地点を除いた近隣だけの最大値ではないため、必ず代表地点の値以上になる。代表地点自体の値とは別の数字で、上書きはしない。都道府県境をまたぐ周辺区画は、関係する全ての都道府県で利用条件を満たす場合にのみ表示します。
value.zone_level(土砂)返しません(null)。土砂災害の区域との照らし合わせは designated_zone_check で返します。

代表地点そのものの浸水深(m)等の実測値は、現在のサーバー構成では配信対象に含めていません(周辺375mの最大値のみ配信)。この点は今後の改善候補です。

算式について

上記6種のスコアは、ハザードの強さ(浸水深・震度確率・土砂災害の区域区分等)から被害の起きやすさを推計する関数(フラジリティ関数)を用いて、Cabocia株式会社が算出しています。当社は次の資料を参照して、関数と係数を独自に設計・実装しています。各資料の著者・機関が当社のスコアを検証・承認したものではありません。

係数の当てはめと、これらの資料を組み合わせてスコアにする部分は当社の実装です。原典の著者・機関が当社のスコアを承認したものではありません。

周辺375mの定義

「周辺」とは、住所を解決した町字代表地点が属する125m四方の区画と、それを取り囲む8個の区画をあわせた、一辺約375mの範囲を指します。この範囲内の最大値を nearby_max として表示します。中心の区画(代表地点そのもの)を含む 3×3 の 9 区画の最大値であり、代表地点を除いた「近隣だけの最大値」ではありません。したがって nearby_max は必ず代表地点の値以上になり、値が大きいことが「近くにより危険な地点がある」ことを意味するとは限りません。

国土DBの災害リスクと「防災DB」的な機能との違い

国土DBの地点災害リスクは、以下の点で、より詳細な防災専用サービスとは異なります。

  1. 近傍による救済がありません。ある専用サービスは、区域外でも近くに区域がある場合にスコアを引き上げて表示しますが、国土DBは代表地点の値と周辺の最大値を別の数字として並べるだけで、上書きはしません。
  2. 密集市街地補正を行っていません。木造住宅密集地域等による地震被害の補正は適用していません。
  3. 複合指標(総合リスク指数)を提供していません。都道府県によって提供できる災害種別が異なるため、一部の種別が欠けた状態での合成指数は、誤解を招くと判断しています。
  4. 近傍の活断層情報を含みません。
  5. 内水(下水道等の能力超過による浸水)について、近傍による救済がありません。1と同じ理由です。

パーセンタイル(全国順位)の母集団について

比べている範囲は災害種別で違います。地震・液状化の順位は、全国の125m四方の区画(山地・無人地帯を含む)の中での位置です。洪水・津波・高潮・土砂災害の順位は、その災害の想定区域内と判定された区画だけの中での位置であり、区域外の場所は比較の対象に入っていません。どの災害種別も、順位の計算に使う値がある区画だけが対象です(洪水は、想定区域内でも浸水深の値がない区画を除きます)。たとえば土砂災害の百分位50は「全国の真ん中」ではなく「土砂災害の想定区域の中で真ん中」を意味します。区域内であることを、全国平均並みのリスクと誤読しないようご注意ください。

母集団の区画数は災害種別によって異なります(2026-09-24実測、risk_by_mesh_125m_cluster の125m区画数)。

液状化は全国の125m区画すべてが母集団になるため、町字の代表地点(人が住む場所)と比べると分布の傾向が違います。実測では、地盤の硬さの指標(AVS30)の中央値が、全国の区画全体では510.4である一方、町字の代表地点だけで見ると311.1でした。この違いにより、最も地盤が硬い部類(AVS30が400以上)の町字であっても、液状化の全国順位(pct_liquefaction)の平均が48.9(約半分の順位)になる場合があります。「人が住む場所の中で上位」ではなく、「山地・無人地帯も含めた全国の区画の中での順位」である点にご注意ください(この段落は液状化の母集団についてのみ当てはまります)。

地図データの技術的な限界(footprint)

洪水・津波・高潮・内水の区域判定について、当社の現行実装では、125m四方の区画に対して図形が区画全面を覆わず、約64%の範囲にとどまります(元データの欠落によるものではなく、当社が区画用の図形を生成する方式に由来する制約です)。このため区画の境界付近、特に急な斜面や海岸沿いの細い区域で、実際には区域内でも「区域外」と判定される場合があります。土砂災害の参考照合の範囲と注意点は、下の「指定区域の種類ごとの数と、町字代表点周辺の参考照合」をご覧ください。

市区町村の地震・地盤の統計値(API・MCP)

REST APIとMCP Serverは、市区町村ごとに、震度6弱以上の揺れの30年超過確率の平均と最大、表層30mの平均S波速度(AVS30)の平均、地盤増幅率の平均を返します(Webページには表示していません)。これらは、防災科学技術研究所 J-SHIS の250mメッシュのうち、その市区町村の区域に含まれるメッシュを当社が集計した統計値です。

地震と液状化のスコア(score)は、上の統計値からではなく、市区町村ごとに1つ定めた代表点のまわりのメッシュの値から算出しています。代表点から緯度・経度それぞれ±0.01度(南北約2.2km)の範囲に中心が入るメッシュが対象です。このため、返している統計値からスコアを計算し直すことはできません。代表点のまわりの値は、区域全体や市街地全体の状況を代表するとは限りません。代表点は、国土交通省 不動産情報ライブラリの将来推計人口250mメッシュのうち、その市区町村のメッシュの中心点を当社が平均した地点です。スコアは2026年3月28日に算出し、以後は更新していません。代表点を定められなかった市区町村と政令指定都市の区では、スコアを返しません(null)。

指定区域の種類ごとの数と、町字代表点周辺の参考照合

市区町村ページの「指定区域の種類ごとの数」は、国土数値情報に収録された土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域(指定前を含む)・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域・災害危険区域・砂防指定地を、種類ごとに数えたものです。種類をまたぐと同じ場所が重なるため、合計は示していません。災害危険区域のうち水害を指定の理由とするものは「水害に関する指定区域」として分けています。建築基準法にもとづき自治体が条例で指定した区域です。浸水想定区域(洪水の想定)とは別の情報です。区域の形と位置から市区町村を判定し、境界に接するだけの区域は数えず、点で収録された区域は位置する市区町村で1回数えます。災害危険区域は、データに記録された市区町村で数えます。政令市は、区の範囲を合わせて数え直しています。

件数は国土数値情報のデータの区域(地物)の数で、指定箇所の数とは一致しないことがあります。国土数値情報に収録された区域だけを数えています。最新の指定や、収録されていない区域は、市・県の公表で確認してください。区域が市区町村の境界をまたぐ時は、それぞれで数えています(災害危険区域はデータに記録された市区町村で、点で収録された区域は位置する市区町村で数えています)。急傾斜地崩壊危険区域と同じ場所が、災害危険区域にも指定されていることがあります。

住所を町字(丁目・字)まで特定し、その代表地点の周囲約375m四方で、国土数値情報に収録された区域と照らし合わせた参考情報です。入力した番地がこの範囲に入るとは限らず、町字の全域を調べた結果でもありません。区域に当たるかの確認は告示図書で行ってください。町字ページの「町字代表点周辺の参考照合」は、区域の種類ごとに、収録区域がかかるか、交わりが見つからないか、表示できないかを示します。どの結果も区域外を意味しません。区域の形・名前・番号は示していません。

土砂災害は、地点の区域内・区域外の区分(status)と value.zone_level を返さず、スコアと全国百分位を指数として返します。これまで市区町村ページに出していた土砂災害の区域数とスコアは表示していません。

J-SHIS 表層地盤データの参考文献

地点の地震・液状化のスコアの算出と、APIが返す市区町村の地盤の統計値(AVS30・地盤増幅率)には、防災科学技術研究所 J-SHIS の表層地盤データを使っています。J-SHIS利用規約第4条に従い、J-SHISの「表層地盤データ記述ファイル規約」に記載された参考文献を次に示します。

  1. 若松加寿江・松岡昌志(2013):全国統一基準による地形・地盤分類 250m メッシュマップの構築とその利用,地震工学会誌 No.18, pp.35-38.
  2. Wakamatsu, K. and Matsuoka, M. (2013): " Nationwide 7.5-Arc-Second Japan Engineering Geomorphologic Classification Map and Vs30 Zoning", Journal of Disaster Research Vol.8 No.5, pp.904-911.
  3. 松岡昌志・若松加寿江(2008) : 地形・地盤分類 250m メッシュマップ全国版に基づく地盤のゆれやすさデータ,産業技術総合研究所,知的財産管理番号 H20PRO-936.
  4. 藤本一雄・翠川三郎(2006) : 近接観測点ペアの強震観測記録に基づく地盤増幅度と地盤の平均 S 波速度の関係,日本地震工学会論文集,Vol.6,No.1,pp.11-22.

出典: 表層地盤データ記述ファイル規約(PDF) / J-SHIS利用規約(いずれも防災科学技術研究所)

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